雪のリスクと除雪の効率化方法とは?雪を溶かす新しい融雪についても紹介
寒さとともに訪れる雪の季節。
毎年、雪が引き起こす様々な問題に頭を悩ませている方も多いのではないでしょうか。特に近年では、地球温暖化による異常気象の影響もあり、日本全国で雪の被害が報告されています。
そこで今回は、手間のかかる除雪作業を省力化するための選択肢や、雪かきを自動化する最新の融雪対策についても詳しく解説します。
雪によるリスクとトラブル
雪かきの労力とリスク
冬場の雪かきは、特に雪が多い地域に住む方にとって避けられない重労働です。
積もった雪の重さは予想以上に重く、長時間の作業は体力を大きく消耗します。特に高齢者や体力に自信のない人にとっては、腰痛や筋肉痛などの健康リスクだけでなく、時に転倒や怪我の危険性も伴います。そのため、雪かきは慎重に行う必要があり、できるだけ労力を減らす工夫が求められます。
雪による事故の危険性
積雪により、道路や駐車場においてもさまざまな問題が発生します。
特に北海道など雪が多い地域では、車のタイヤが雪に埋まり立ち往生して道路が渋滞してしまったり、大量の雪が線路に積もって電車が運休するケースは珍しくありません。さらに、積もった雪が凍結すると大きな事故の原因にもなりかねません。歩行者の転倒リスクも高まり、重大な怪我につながることもあります。
除雪や融雪におけるコストの問題
企業や店舗においては、除雪にかかる時間とコストが大きな負担になります。
毎日積もる雪を除雪するには従業員や専門業者を手配しなければならず、費用がかさみます。適切に除雪をしないと、顧客や従業員の転倒事故を招く恐れもあり、このような事故は企業の信用や保険料にも影響する可能性があります。
このように積雪は事業運営にとって大きなリスクとなる可能性があり、効率的かつ安全に雪を処理するための対策が必要となります。
積雪対策を効率化するには
これらの様々な理由から、雪かきの労力をできるだけ減らしたいと考える方も多いことでしょう。では、積雪対策にはどのようなものがあるのでしょうか。以下にその事例をご紹介します。
融雪槽
融雪槽は除雪した雪を溶かす装置で、主に庭先や車庫前などの地中に設置されます。熱源は灯油式、電気式、ガス式、地下水式など様々なタイプがあります。
使い方は、融雪槽に雪を投入するだけ。槽の中で雪を溶かす仕組みのため、複雑な作業がなく、誰でも簡単に使用することができます。
融雪槽のメリット
雪を入れるだけで除雪できるという手軽さが大きなメリットです。
特に、広い駐車場や施設周辺での除雪作業が格段に楽になります。雪をすべて水にして排水できるため、後処理の手間も最小限に抑えられます。
融雪槽のデメリット
雪を人の手で融雪槽に入れる必要があるので、雪かき作業自体は必要となります。
また、槽を地中に埋め込む工事が必要となるため、設置費用がかかります。さらに雪を溶かす際にはエネルギーを必要とするため、雪が多い場合には灯油代や電気代等がかさんでしまうこと、また定期的に点検やメンテナンスが必要となるため、ランニングコストがかかることもデメリットの一つです。
ロードヒーティング
ロードヒーティングは、道路や駐車場に電熱線や温水パイプを敷設し、路面を温めて積雪や凍結を防ぐシステムです。
自動的に雪を溶かしてくれるため、冬場の路面の安全性を確保でき、特に商業施設や住宅地、公共の道路などでよく使用されます。
ロードヒーティングのメリット
最大のメリットは、除雪がほぼ完全に自動化される点です。手動で雪かきをする必要がなく、路面が雪や氷で覆われることがないため、車のスリップや歩行者の転倒を防止します。特に、広範囲の除雪が必要な場所では、その効果が絶大です。
ロードヒーティングのデメリット
しかし、ロードヒーティングには高額な設置費用とランニングコストがかかります。特に電気代やメンテナンス費用が長期的にかさむため、導入を検討する際は費用対効果を十分に考える必要があります。また、設置が難しい場所もあり、全ての環境に適しているわけではありません。
積雪対策の新常識:遠赤外線式照射型融雪システムとは?
そこで近年注目を集めているのが、遠赤外線式の融雪機を使用した融雪方法です。
従来の除雪・融雪方法では「熱」を利用しますが、この融雪機は遠赤外線の光を当てることにより雪を溶かします。
遠赤外線式照射型融雪システムのメリット
オート融雪で、雪対策の自動化が実現
雪が降り始めると同時に点灯することで、雪をそもそも積もらせません。
手作業で行う雪かき作業がほとんど発生しないため、除雪の重労働から解放されるだけでなく、安全で効率的な雪処理が可能です。
環境に優しいエコ設計・低コストで経済的
灯油やガスではなく電力を利用して稼働するため、環境にも優しい点も大きなメリットです。
さらに、ロードヒーティングとは異なり路面工事が不要、かつエネルギー消費も少ないため、効率的かつ低燃費での運転が可能。導入コストとランニングコストが抑えられるため、経済的です。
設置場所を問わない柔軟性の高さ
設置の柔軟性も大きな特徴です。冬期間中でも取付けが可能で、屋根や駐車場、玄関前など、積雪が問題となるあらゆる場所に簡単に設置することができます。また、スペースを取らないため、必要に応じて自由に設置場所を変更できるのも魅力の一つです。
遠赤外線式照射型融雪システムのデメリット
他の除雪・融雪方法と比較してメリットの多い遠赤外線式照射型融雪システムですが、デメリットも存在します。
まず、遠赤外線融雪は降ってきた雪を溶かすことで積雪を予防するシステムです。そのため、一度積もった雪を溶かすには不向きとなっています。
また、運転には電気を必要とするため、一定のランニングコストがかかります。一例としては、1ヵ月150時間(1日5時間)利用の場合で約20,000円/月程度となります。(37円/kw試算、基本料金は別途、4灯タイプ3.7kwhの場合)
遠赤外線式照射型融雪システムの活用事例
遠赤外線式照射型融雪システムは、日本全国において様々なシーンでの融雪に採用されています。以下にその一例をご紹介します。
- 店舗エントランス
積雪により滑りやくなるエントランスや階段、通路の自動融雪を行い、転倒リスクを取り除きます。
- 駐車場
車両のスリップ事故防止や、歩行者の安全確保のために役立っています。
- 鉄道・道路
高速道路のETCゲート前の自動融雪、鉄道やレールの積雪防止にも使用されています。
- 戸建て住宅
一般家庭においても使用が可能です。据え置き型だけでなく、自立式の移動可能なタイプもあります。
雪の問題を解決し、快適で安全な冬を過ごしませんか?
今回は、雪がもたらすリスクと除雪・融雪を効率化する方法についてご紹介させていただきました。
雪は、冬ならではの風物詩でもある反面、降りすぎると深刻な問題を引き起こすこともあります。特に雪が多い地域では、積雪対策は毎年の大きな課題となり、多くの方が頭を悩ませる原因にもなっています。
雪への万全な対策行うことで、今年の冬はぜひ快適でストレスフリーに過ごしてみてはいかがでしょうか。
解けルモは遠赤外線方式を採用した照射型融雪システム。上方から照射した遠赤外線で太陽光のようにやさしく融雪。スポット融雪だから、クリーンでエコな融雪システムです。
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