海洋プラスチックごみ問題を解決!ビーチクリーン活動とリサイクルの効果的な取り組みとは

海洋プラスチックごみ問題を解決!ビーチクリーン活動とリサイクルの効果的な取り組みとは(サムネイル)

この時期、各地で開催されている「ビーチクリーン活動」。海のそばで心地よい風を受けながら行う海岸清掃活動は、気持ちのよいものですよね。

このように観光地や地域住民による清掃イベントが定着しつつある中、「拾ったごみをどう活かすか?」という次のステップが求められつつあります。

海洋ごみ問題が深刻化する今、ただ拾うだけではなく、ごみを資源として循環させるにはどうすればよいのでしょうか。この記事では、ビーチクリーンにおける課題や、そして拾ったごみの再資源化・エネルギー化の最新事例をご紹介します。

目次

ビーチクリーン活動はなぜ必要?

ビーチクリーン活動が必要な理由

近年、年間で少なくとも800万トン以上のプラスチックごみが海に流出していると言われています。ペットボトル、レジ袋、漁網などが景観を損ねるだけでなく、海洋生物の生態系にも深刻な被害を与えています。

また、プラスチックが紫外線や波の力で細かく砕かれたマイクロプラスチックは、魚介類を通じて人間の体内にも取り込まれる可能性があるといわれています。マイクロプラスチックの人体への影響は未解明な点も多く、長期的な健康リスクが懸念されています。

ビーチクリーン活動は、こうした海洋プラスチックごみ問題対策に向けた第一歩となる重要な取り組みなのです。

多様化する近年のビーチクリーン活動

多様化する近年のビーチクリーン活動

 企業や自治体との連携による大規模な清掃プロジェクト 

近年では、企業や自治体が主体となって行う大規模なビーチクリーン活動が増えています。
CSR(企業の社会的責任)やSDGsへの関心が高まる中、環境保全をPRする機会として活用されています。また、行政と市民団体が連携して継続的な清掃スケジュールを組むケースもあり、地域ぐるみでの取り組みが広がりつつあります。

 観光体験と組み合わせた「エコツーリズム型」ビーチクリーン 

ビーチクリーンを観光と融合させた「エコツーリズム型」の活動も注目を集めています。
旅行者が観光地の自然に触れながらごみ拾いに参加する形式で、環境意識を高めるきっかけとして機能しています。特に離島やビーチリゾートでは、地元住民との交流や自然保護の教育的要素を取り入れたプログラムも人気が高まっています。

ビーチクリーン活動における課題

深刻化する海洋プラスチック問題の現状(イメージ)

一方で、ビーチクリーン活動はごみを拾うだけでは持続的な解決に結びつかないという課題もあります。

拾ったごみの分別処理・再資源化が進んでいない

多くのビーチクリーン活動では、回収したごみが種類に関わらず一括で可燃ごみとして処理される傾向があります。とくに砂や塩分を含んだプラスチックごみは、リサイクル工場での処理に適さないとされ、最終的に焼却処理されることが一般的です。

さらに、プラスチックと金属、布などが複合した異素材ごみは分別が難しく、マテリアルリサイクルやアップサイクルの対象外となりがちです。結果として、せっかくの回収したごみが再活用されにくいというのが現状です。

ごみの発生源への対策が不十分

ビーチクリーンは、海岸に漂着したごみを拾う「事後対応」であり、抜本的な解決にはなりません。

実際には、海岸ごみの多くは内陸部の都市や住宅地、工場などから発生し、河川を経由して海に流れ着いています。風で飛ばされたポイ捨てごみや排水路から流出したプラスチック片、不法投棄された大型ごみも含まれます。つまり、ごみの“発生元”にあたる場所での排出抑制が不十分な限り、ビーチクリーンだけで海洋ごみ問題を解決することは難しいのです。

海ごみの分別処理・再資源化のソリューション事例

拾ったごみを再資源として活用し、循環型社会の構築へとつなげるためには、テクノロジーの活用や新しい発想によるソリューションが必要です。

『一般社団法人クリーンオーシャンプロジェクト』では、海洋ごみの回収から分別、リサイクルまで、海をきれいにするための様々なソリューションに取組んでいます。

ここでは、クリーンオーシャンプロジェクトにおける取り組みや最新の技術の一例をご紹介します。

ごみ分別のためのソリューション

プラスチックごみの分別

ビーチクリーンで回収したごみは、通常さまざまな材質のものが混在しています。これらをリサイクル・再資源化するには、まず正確な分別が欠かせません。

クリーンオーシャンプロジェクトでは、ごみの分別をスマートに行える小型のプラスチック判別機などのソリューションを提供しています。

これまでプラスチック素材の判別には、サンプルを持ち帰りX線装置等を使用して行う必要がありましたが、このソリューションによりプラスチックの材質を瞬時に判別して手軽に識別することができます。見た目だけでは判断が難しい素材の仕分けが誰でも可能となり、リサイクル精度の向上が期待できます。

マテリアルリサイクル・アップサイクルの取組み

プラスチックのマテリアルリサイクル

ビーチクリーンで回収されたプラスチックごみの多くは、汚れや破損のために通常のリサイクルが難しいとされてきました。

クリーンオーシャンプロジェクトでは、こうしたプラごみを再資源化するマテリアルリサイクルや、新たな価値ある製品に生まれ変わらせるアップサイクルの取り組みにも力を入れています。

たとえば、海岸で拾われたごみを素材として再加工し、文具や雑貨、アート作品などに再生するなど、環境意識の向上とリサイクル意欲の促進を同時に実現しています。

海ごみの発生抑制のソリューション事例

さらに、拾ったごみの活用だけでなく、ごみの“発生元”での抑制も、海ごみを無くすためには必要不可欠です。そのためには街からのごみや、工場・事業所等で発生するごみの排出を減らすことが重要となります。

街から発生するごみを抑制:IoTスマートゴミ箱

海ごみの多くは、街で発生したごみが風や雨で流出し、河川を通じて海に到達することで生じます。

これを防ぐ手段として登場したのが、IoT機能を備えたスマートゴミ箱「Reebo」です。ごみの蓄積状況をリアルタイムで把握し、収集タイミングを最適化することで、ごみのあふれや不法投棄を防止。街中のごみを適切に管理することで、海洋ごみの発生源対策として大きな効果が期待されます。

Reeboeyecatch

工場・事業所のプラスごみを発生元で燃料化・エネルギー利用

回収したプラスチックごみの新たな活用法として注目されているのが、プラスチック燃料化技術です。

例えば、エルコムのプラスチッククリーンエネルギー化システムe-PEPは、汚れや異素材混入があっても燃料化が可能で、廃プラを固形燃料に変換します。これにより、ごみの焼却処理による環境負荷を軽減しつつ、産業用ボイラーなどのエネルギーとして再利用できるのが大きな特徴です。従来のリサイクルが難しかったプラスチックも、燃料として資源化することで、廃棄物削減とエネルギーの有効活用を両立させています。

e-pepシステム

「拾うだけ」で終わらない!ビーチクリーンでゴミの有効活用を

ビーチクリーンは拾った後のリサイクルも大事

ビーチクリーンは単なるごみ拾いではなく、海をきれいにするための活動です。
回収したごみを正しく分別し、マテリアルリサイクルやアップサイクル、さらには燃料化・再エネルギー化といった多様な活用方法を取り入れることで、資源の循環利用が実現します。

さらに、根本となるごみの発生元にも目を向けることで、海ごみの発生自体を減らすことができ、海洋ごみ問題の本質的な解決に近づくことができます。

未来の海を守るために、ぜひビーチクリーン活動の次のステップについても考えていきましょう。

プラスチッククリーンエネルギー化システム 「e-PEP」とは?

e-PEPシステムとは、使用済みプラスチックをその場で燃料化し、そのままエネルギーとして利用できる全く新しいエコリサイクルシステムです。

事業者が排出したプラスチックごみを発生元でリサイクルすることで、廃棄物処理にかかるコストやCO2排出を抑えながら、ごみを出さずに環境保護にも貢献します。

詳細・カタログは以下のページからご覧いただけます。また、お見積はエルコム公式サイトよりぜひお問合せください。

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