海洋プラスチックごみ問題について知ろう!持続可能な未来へのアクションとは?
世界中で年々深刻化する、海洋プラスチックごみ問題。2050年には魚より海洋ごみの量が多くなるとも言われており、海洋環境や生物に大きな影響を与えています。
この記事では、海洋プラスチックごみ問題について深く掘り下げながら、具体的なアクションや対策方法、企業や自治体の取り組みなどを紹介していきます。
ぜひ海洋プラスチックごみ問題についての理解を深め、問題解決のための具体的な方法や取り組みを知っていきましょう。
はじめに:SDGsとは?持続可能な未来への取り組みについて
ここ近年で急速によく聞かれるようになった、SDGsという言葉。皆さんはSDGsとは何か知っていますか?
SDGsはSustainable Development Goals、つまり「持続可能な開発目標」のこと。これは国連が2015年に採択した17の目標であり、2030年までに貧困、飢餓、教育格差、気候変動などの課題を解決し、持続可能な未来を実現することを目指しています。このSDGsの目標のもと、よりよい地球と人々の未来のため、世界中ではさまざまな取り組みが行われています。
海洋プラスチックごみ問題は、その中でも重要なテーマの一つ。
海に廃棄されたプラスチックは海洋環境や生き物へさまざまな問題を引き起こしており、まさに今、私たちが持続可能な未来を築くために取り組むべき重要な課題です。
海洋プラスチックごみ問題とは?
いまや私たちの生活になくてはならないと言えるほど、様々な場面で利用されているプラスチック。その手軽さや耐久性、使用用途の広さから、袋や容器、包装フィルムなどの身近なものをはじめ、服や自動車、電子部品など、幅広い用途に使われています。
しかし、使用後のプラスチックの中には正しく処理されず、自然環境の中に流出してしまうものも少なくありません。海洋プラスチックごみ問題とは、私たちが日常的に使用しているプラスチック製品が川などをたどって海に流れ込み、海の環境や生物に大きな影響を与えている問題のことです。
海洋プラスチックごみ問題の背景と現状
様々な用途に使えるプラスチックですが、その手軽さゆえ、製品の多くは一度使ったら捨てられ、そのままごみとして廃棄されてしまうことが多いのが現状です。
プラスチックは非常に耐久性があり、自然環境で分解されるまで数十年から数百年かかることもあります。そのためプラスチックごみが不適切に捨てられた場合、陸地や河川を経由して海まで流れ込むことがあります。海へ流出したプラスチックは、海流によって遠くまで運ばれ、広範囲に広がってしまいます。
海洋プラスチックごみの現状を見ると、年間約800万トンものプラスチックが海洋に流入していると推定されています。この量は1分に1台のダンプカーが海に捨てられるのと同様の量に相当し、問題は世界中の海で深刻化しています。
海洋プラスチックごみ問題の原因と影響
海洋プラスチックごみ問題の原因は複数ありますが、主にプラスチックの適切な処理やリサイクルが不十分なことが挙げられます。多くの国や地域では、プラスチックの廃棄物処理において十分な施設やインフラが整っていないため、プラスチックごみが適切に処理されずに環境に流出してしまいます。
また、廃棄への意識の低さから、プラスチックが海に直接捨てられることもあります。海における漁業活動や観光なども、プラスチックごみの海洋への流入を招く要因となっています。
海洋プラスチックごみ問題の影響は多岐にわたります。まず挙げられるのは、海洋の生態系へ与える影響です。例えば、海の生物がプラスチックごみを誤って飲み込んでしまったり、絡まったりして窒息や大きなけがを引き起こすことがあります。
プラスチックが分解される際に発生する微小なプラスチック粒子(マイクロプラスチック)も生態への影響が懸念されています。マイクロプラスチックを摂取した魚などの海の生物により海の生態系のバランスが崩れたり、その魚を食べた人間の体にも健康への影響を及ぼす可能性があります。
海洋プラスチックごみ問題への対策方法
では、海洋プラスチックごみ問題を改善していくにはどうすればよいのでしょうか?
そのために必要といわれるのが、「3R(スリーアール)」です。
海洋プラスチックごみ問題対策の「3R(スリーアール)」とは?
3Rは Reduce(リデュース)、Reuse(リユース)、Recycle(リサイクル)の3つの取組みのことを指します。ごみを減らし、かつ資源を有効的に使う循環型社会の実現を目指しています。
Reduce(リデュース):ごみを減らす
Reduce(リデュース)とは、ごみ自体を減らしていくことです。
また、製品をつくるときにプラスチックの量や廃棄物の発生を少なくしたり、長く使えるような製品設計にしていくことなども取り組みの中に含まれます。
Reuse(リユース):ごみにせず再使用する
Reuse(リユース)は使用済み製品などを捨てずに繰り返し使用することで、ごみを減らすアクションです。初めから再利用しやすい製品を開発したり、修理・診断技術を高めていくことなども取り組みの一つです。また、不用品を再活用することもリユースの代表的なアクションです。
Recycle(リサイクル):ごみを再資源化する
Recycle(リサイクル)は、ごみとなるものを原材料やエネルギー源として有効利用することです。それを可能にする製品を製造したり、使用済み製品を回収すること、リサイクル技術・装置を開発することもその取り組みの一つです。
企業や自治体の取り組み
世界的な海洋プラスチックごみ問題の深刻化をうけ、近年では様々な企業や自治体が積極的に取り組みを行っています。以下にその具体的な事例を紹介していきます。
海洋プラスチックごみ問題への企業の取り組み
例えば、マクドナルド社では2018年からプラスチックの使用量を削減するための取り組みを行っています。使用済みのハッピーセットのおもちゃなどを店内の専用ボックスで回収し、プラスチックを再利用したリサイクルトレイにして店内で使用しています。また、川崎市では市内の8店舗にて排出された使用済みプラスチックをリサイクル施設で低炭素水素エネルギーとして再生し、デリバリーサービスで使用するEVバイクのエネルギーとして使用する実証事業も実施しています。
(出典:日本マクドナルド公式サイト)
海洋プラスチックごみ問題への自治体の取り組み
自治体も海洋プラスチックごみ問題への取り組みを進めています。
香川県では、行政と民間の県漁連等が連携し、海ごみの回収・処理システムを構築しています。
具体的な流れとしては海底から引き揚げられたごみを、漁業者がボランティアで漁港まで持ち帰り分別・保管し、それを行政が回収し、処理費用を負担して処分するというものです。この海ごみの処理費用は令和2年度から環境省補助金の対象にもなっており、平成25年度から令和2年度までの8年間で約143トンを回収・処理しました。
(出展:環境省)
私たちひとりひとりができること
海洋プラスチックごみ問題に対処するためには、私たちひとりひとりの意識と行動が重要です。以下では、具体的な取り組み事例を紹介します。
プラスチックごみの発生を抑える
プラスチックごみの発生を減らすために、まずは不要なプラスチック製品の使用を控えることが大切です。買い物の際には、できるだけプラスチック包装の少ない商品を選び、エコバッグやマイボトルを持参する習慣を身につけると良いでしょう。
さらに、一度使ったプラスチック製品はすぐに捨てるのではなく、再利用することも検討しましょう。例えば、シャンプーなどのボトルは毎回新しく買うのではなく詰め替え用のものを選ぶ、使わなくなった服やおもちゃなどは譲り合ってくり返し使うことなどです。
また、プラスチックごみの分別も重要です。地域のゴミ分別ルールに従い、正しくプラスチックごみを分別しましょう。これにより、リサイクルや適切な処理が可能になります。
プラスチックごみの回収活動に参加する
地域のプラスチックごみの回収活動やビーチクリーンなどのイベントに積極的に参加してみることもおすすめです。これは地域社会の一員として、海洋プラスチックごみ問題に対して具体的なアクションを起こす良い機会です。
また、SNSやオンラインコミュニティで関連する活動やイベントをシェアし、周りの人々にも呼びかけてみると、多くの人々が参加するきっかけになることもあるかもしれません。
プラスチックリサイクルに自社内で取り組む
企業や事業者が行える取組みの一つとしては、自社内でプラスチックごみをエネルギー化し再利用するという選択肢もあります。
例えば、事業所内でも使用できる廃プラスチックのエネルギー化システムを導入することで、自社で排出したごみを自社内のエネルギーとして有効活用することが可能になります。
特に大量のプラスチックごみを排出する事業者においては、コスト削減と環境への貢献を同時に実現できるなど、多くのメリットが期待できます。
おわりに
海洋プラスチックごみ問題は、世界中で深刻な課題となっています。この問題に取り組むためには、企業や自治体、そして各個人が意識を高め、行動を起こすことが重要です。
私たちひとりひとりの取り組みが集まれば、海洋プラスチックごみ問題に対する解決への一歩となることでしょう。持続可能な未来を築くために、ぜひ行動に移してみましょう。あなたの一歩が大切な変化を起こすかもしれません。
e-PEPシステムとは、使用済みプラスチックをその場で燃料化し、そのままエネルギーとして利用できる全く新しいエコリサイクルシステムです。
事業者が排出したプラスチックごみを発生元でリサイクルすることで、廃棄物処理にかかるコストやCO2排出を抑えながら、ごみを出さずに環境保護にも貢献します。
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