インバウンド対応&オーバーツーリズム対策にも!補助金活用による環境設備導入の方法とは?【2025年最新】

近年、インバウンド需要の増加に伴い、観光地や宿泊施設では人手不足やオーバーツーリズムの問題が深刻化しています。限られた人員で質の高いサービスを提供し、地域の環境や景観を守るために、新たな設備導入や対策が求められています。
そこで活用したいのが、観光庁関連の補助金制度。人手不足対策、省エネ設備の導入、ゴミ問題の解決、ユニバーサルツーリズムの推進など、持続可能な観光地づくりを支援する多様な補助金について詳しく解説します。
① 観光地の人材不足対策に活用できる補助金
観光地・観光産業における人材不足対策事業

観光庁が実施する「観光地・観光産業における人材不足対策事業」は、宿泊施設が直面する人手不足の課題を解決し、業務の効率化を図るための補助金制度です。
近年、インバウンド需要の増加に伴い、宿泊業界ではサービスの質を維持しながら、限られた人員で運営を行う必要性が高まっています。この補助金は、そんな宿泊業における人材の効果的な配置とサービス水準向上を強化するため、設備やシステム導入等にかかる費用を支援するものです。
■ 事業名称: 「観光地・観光産業における人材不足対策事業」
■ 補助内容:
- 対象者: 宿泊事業者
- 対象経費: 人手不足対策に資する設備・サービスの導入費用
- フロント業務の効率化: 自動チェックイン機、無人化のための機器導入
- 予約・デスク業務の負担軽減: 予約管理システム、AI機器・設備の設置
- 清掃業務の省力化: 清掃ロボットの購入、業務効率化のための設備
- 食事準備・配膳のサポート: 献立管理システム、配膳ロボットの導入
- その他のバックサポート業務: シフト管理システム、インカム導入
■ 補助金額:
- 補助上限額: 500万円
- 補助率: 対象経費の1/2
詳細な申請手続きについては、以下の事業特設サイトよりご確認ください。
<出典>
観光庁「令和5年度 ポストコロナを見据えた受入環境整備促進事業補助金 観光地・観光産業における人材不足対策事業」
②オーバーツーリズム対策に活用できる補助金
オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業

観光庁が推進する「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」は、観光客の急増による地域社会や環境への負荷を未然に防ぎ、持続可能な観光地づくりを支援することを目的とした補助金制度です。この事業では、地域住民や関係者が協力して協議の場を設け、計画策定や具体的な取り組みを包括的に支援します。
■ 事業名称:「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」
■ 補助内容:
- 対象者: 地方公共団体、観光協会、DMO(観光地域づくり法人)などの観光関連団体
- 対象経費: オーバーツーリズムの未然防止・抑制に資する取り組みにかかる費用
- 受入環境の整備・増強: 手ぶら観光の推進、ごみ箱の設置、交通対応の強化など
- 需要の適切な管理: 観光客数のモニタリングシステムの導入、予約制の導入など
- 需要の分散・平準化: パークアンドライドの導入、観光ルートの多様化など
- マナー違反行為の防止・抑制: 注意喚起の看板やデジタルサイネージの設置、啓発活動など
- 地域住民と協働した観光振興: 混雑状況の可視化、住民参加型の観光プログラムの開発など
■ 補助金額:
- 補助率: 対象経費の1/2以内
- 補助上限額: 事業内容や規模に応じて異なります。詳細は公式サイトをご確認ください。
詳細や申請手続きについては、事業特設サイトをご確認ください。
<出典>
観光庁「オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業」
③ 観光地の省エネ・サステナビリティを支援する補助金
宿泊施設サステナビリティ強化支援事業

観光庁が実施する「宿泊施設サステナビリティ強化支援事業」は、訪日外国人旅行者の増加を見据え、宿泊施設の持続可能性(サステナビリティ)向上を支援する補助金制度です。
近年、旅行者の間で環境や社会に配慮したサステナブルな宿泊施設の需要が高まっており、世界各国の旅行者に選ばれるためには、宿泊施設のサステナビリティ強化が不可欠となっています。この事業では、旅館やホテルなどの宿泊施設が省エネ設備や環境配慮型機器を導入する際の費用を支援し、持続可能な観光地づくりを推進します。
■ 事業名称:「宿泊施設サステナビリティ強化支援事業」
■ 補助内容:
- 対象者: 宿泊事業者
- 対象経費: サステナビリティ向上に資する設備・機器の導入費用
- 省エネ型空調設備: エネルギー効率の高い空調システムの導入
- 省エネ型ボイラー・配管: 高効率なボイラーや配管システムの設置
- 二重サッシ等の断熱設備: 断熱性能を高めるための二重窓や断熱材の導入
- 太陽光発電・蓄電設備: 再生可能エネルギーの活用としての太陽光パネルや蓄電池の設置
- 節水型トイレ等の水資源管理設備: 水の使用量を削減するための節水型トイレや蛇口の導入
- 高効率照明機器: LED照明などの省エネ型照明の設置
- その他省エネ対策設備: 上記以外の省エネルギーや環境負荷低減に寄与する設備や備品
■ 補助金額:
- 補助率: 対象経費の1/2
- 補助上限額: 1,000万円
詳細や申請手続きについては、事業特設サイトをご確認ください。
<出典>
観光庁「令和6年度 宿泊施設サステナビリティ強化支援事業」
④ 観光地のバリアフリー化に活用できる補助金
観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業

観光庁が推進する「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」は、高齢者や障害者を含む誰もが気兼ねなく旅行に参加できる環境を整備し、ユニバーサルツーリズムの普及・定着を目指す補助金制度です。人口減少が進む中、国内の新たな交流市場を開拓し、観光地や観光産業の収益性向上を図ることを目的としています。
■ 事業名称:「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」
■ 補助内容:
- 対象者: 観光施設や宿泊施設を運営する事業者
- 対象経費: バリアフリー化に必要な施設整備や設備導入等にかかる費用
- 施設の段差解消: 高齢者や障害者が移動しやすいよう、客室や共用スペースの段差を解消する改修工事
- 浴室の改修: 身体が不自由な方のために、浴室に腰掛けスペースを設けるなどの改修
- その他のバリアフリー対応: 手すりの設置、車椅子対応のスロープ設置、視覚障害者向けの点字案内板の設置など
■ 補助金額:
- 補助率: 対象経費の1/2以内
- 補助上限額: 1,500万円
詳細や申請手続きについては、以下の観光庁公式サイトをご確認ください。
※令和6年度の公募はすでに終了していますが、今後継続的な実施が期待されています。
<出典>
観光庁「令和6年度補正予算「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」に係る事務局の公募を開始します」
⑤ 観光地の付加価値化・集客力アップを支援する補助金
地域観光魅力向上事業

観光庁が推進する「地域観光魅力向上事業」は、地域資源を活用した収益性が高く、独自性・新規性のある観光コンテンツの開発から、適切な販路開拓や情報発信までを総合的に支援し、中長期にわたって販売可能なビジネスモデルの構築を目指す補助金制度です。
■ 事業名称:「地域観光魅力向上事業」
■ 補助内容:
- 対象者: 地方公共団体、DMO(観光地域づくり法人)、民間事業者等
- 対象経費: 観光コンテンツの開発および販路開拓・情報発信にかかる費用
- 観光コンテンツの開発: 地域資源を活用した新規性・独自性の高い観光商品の企画・開発
- 販路開拓: 商談会の開催、OTA(オンライン旅行代理店)への掲載支援
- 情報発信: SNSやウェブサイトを活用したプロモーション活動
■ 補助金額:
- 補助率: 400万円まで定額補助、400万円を超える部分については対象経費の1/2
- 補助上限額: 1,250万円
- 最低事業費: 600万円
詳細や申請手続きについては、以下の観光庁公式サイトをご確認ください。
<出典>
観光庁「地域観光魅力向上事業」に係る事務局の公募について」
各補助金の活用が期待できる環境製品・ソリューション例
このようにインバウンド&オーバーツーリズム対策には、様々な補助金があります。
ここでは、これらの補助金対象として導入できる可能性のある、具体的な環境製品・ソリューションを紹介します。
遠赤外線融雪機「解けルモ」 – 持続可能な雪対策ソリューション

解けルモとは?
遠赤外線融雪機「解けルモ」は、電気式融雪システムで降雪時にのみ点灯し、必要な箇所をスポットで融雪します。人の手による除雪を行うことなく自動で融雪が可能なので、雪かき作業を省人化できます。灯油やガス等の燃焼式ロードヒーティングに比べCO₂をカットできるほか、散水式や塩化カリウムを使用する融雪剤などに比べても環境に優しくクリーンな融雪システムです。
活用シーンと導入メリット
宿泊施設やスキーリゾートでは、ホテルのエントランスや駐車場、スロープ、スキーリフトの乗降場所などでの雪対策が重要です。従業員による雪かきの負担を軽減し、来訪者の安全を確保するために、解けルモの導入が有効です。また、バリアフリー対応の一環として、スロープや露天風呂の通路などの融雪にも活用できます。
対象となりうる補助金と活用ポイント
① 観光地・観光産業における人材不足対策事業(人手不足対策設備・システムの導入)
雪の降る地域で問題となる、除雪作業などの人手不足対策としての補助金活用など
③ 宿泊施設サステナビリティ強化支援事業(省エネ型融雪設備の導入)
解けルモは従来の燃焼式融雪設備と比べ、CO₂排出量の削減が可能。サステナビリティ向上設備としての補助金活用など
④ 観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業(バリアフリー環境整備)
自動融雪の導入による、観光施設や宿泊施設のバリアフリー化など
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IoTスマート圧縮ゴミ箱「Reebo」 – 観光地のゴミ問題を解決する最先端ソリューション

Reeboとは?
IoTスマート圧縮ゴミ箱「Reebo」は、ゴミを自動で圧縮することで、ゴミの回収頻度を大幅に削減できる次世代スマートゴミ箱です。IoT技術を活用し、ゴミの蓄積状況をリアルタイムで管理できるため、観光地や商業施設の清掃作業を効率化・省人化できます。
活用シーンと導入メリット
観光地や商業施設では近年、観光客の増加に伴ってゴミの量が増加し、回収作業の負担の増加や、ごみ箱不足によるポイ捨ての増加が問題となっています。
Reeboを導入することで、ゴミ箱溢れを防ぎ、観光地の景観を維持できるだけでなく、人手不足が深刻なエリアでの清掃作業の省人化にも貢献します。さらに、IoT機能を活用することで、ゴミ回収の最適なタイミングを把握し、運搬コストの削減にもつながります。
対象となりうる補助金と活用ポイント
① 観光地・観光産業における人材不足対策事業(ゴミ管理の省人化)
スマート圧縮ゴミ箱の設置によるごみ回収や清掃作業の効率化、省人化
②オーバーツーリズムの未然防止・抑制による持続可能な観光推進事業(観光地の環境整備)
スマート圧縮ゴミ箱の設置による、ごみのポイ捨て防止および環境整備、景観維持対策など

クリーンオーシャンプロジェクト / e-PEPシステム – 海洋プラごみの資源化
クリーンオーシャンプロジェクトとは?

クリーンオーシャンプロジェクトは、次世代に引き継ぐ「きれいな海と豊かな海」を残すために、最新技術を活用して海ごみ問題や環境課題の解決をめざす取り組みです。
複数の企業や自治体と連携し、海洋ごみを単なる廃棄物ではなく、地域資源として活用する仕組みの構築や、プラスチックごみを再利用した製品・観光資源としての活用を目指す取組みなど、さまざまなプロジェクトの創出を支援しています。
e-PEPシステムとは?

e-PEPシステムは、プラスチックごみを燃料化し自社のエネルギー化として活用することのできるリサイクル技術です。これにより、廃棄プラスチックをごみとして捨てることなく、発生元で直接エネルギーとして活用することが可能になります。クリーンオーシャンプロジェクトでは、この技術を活かし、海洋ごみ問題に取り組む地域や企業の支援を行っています。
活用シーンと導入メリット
離島や沿岸部では、漂着プラスチックごみが大きな環境問題となっています。e-PEPシステムを導入することで、これらのごみを再生資源として活用し、地域の観光資源化を促進できる可能性があります。例えば、回収したプラスチックを使った観光コンテンツの開発など、「サステナブル・トラベル」をテーマに新しい観光ビジネスモデルの構築に貢献するプロジェクトの創出が期待できます。
対象となりうる補助金と活用ポイント
⑤ 観光地・観光産業における人材不足対策事業(ゴミ管理の省人化)
漂着プラスチックに課題を持つ離島や沿岸自治体で、プラごみの有効化・付加価値化など
まとめ -補助金活用で、観光地の未来を支える設備導入を!

このように最新設備の導入は、観光地が直面する人手不足や環境問題の解決の糸口となる可能性があります。
補助金を活用すれば、省エネ対策やオーバーツーリズム対策、バリアフリー化など、持続可能な観光地づくりが低コストで実現できます。補助金制度は予算枠があるため、こまめに最新情報のチェックや早めの申請手続きをおすすめします。
補助金を活用した環境ソリューション機器の導入については、ぜひお気軽にエルコムまでお問合せください。
エルコムの環境ソリューション(ごみ圧縮減容機、スマート圧縮ごみ箱、遠赤外線融雪装置等)についてのお問い合わせはこちら