ペットボトルの分別はなぜ必要?分別後のリサイクルについても詳しく解説
私たちの日常生活で身近な存在であるペットボトル。使用後もリサイクルして再利用できることから、地球環境にやさしい素材としても知られています。
しかし、使用後には分別せずにそのまま捨ててしまっている、という方もいるのではないでしょうか?実はペットボトルのリサイクルには、正しい分別が非常に重要です。
この記事では、ペットボトルの材質の違いや、それぞれの正しい分別方法について触れながら、分別後のリサイクルについても詳しく解説します。
ペットボトルの分別はなぜ必要?
ペットボトルは主に、ボトル本体、キャップ、ラベルの3つから構成されています。これらは別の材質のプラスチックから作られているため、リサイクルの際には分別して捨てる必要があります。
ペットボトル本体の材質
ペットボトルの本体は、主にポリエチレンテレフタレート(PET: Poly Ethylene Terephthalate)とよばれるプラスチックで作られています。この材料名の頭文字が「PET」であることから、ペットボトルと呼ばれています。
PETは軽量で強度があり、透明度が高く、飲料の保存に最適です。また、リサイクル性が高く、再生素材として多くの製品に再利用されます。しかし、PETは単独で処理する必要があり、他のプラスチックと混ざるとリサイクルの品質が低下するという特徴があります。
ペットボトルキャップ、ラベルの材質
ペットボトルのキャップは、一般的にPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)などのプラスチックで作られています。これらの素材は軽量で柔らかく、耐熱性に優れているという特徴があります。
ラベルは、PP(ポリプロピレン)やPS(ポリスチレン)が主に使用されています。これらは印刷がしやすく、ボトルにしっかりと貼り付けられる特性があります
このように、ペットボトル本体、キャップ、ラベルはそれぞれ材質が異なるため、正しい分別が必要です。適切な分別を行うことで、リサイクルの効率が向上し、資源の再利用を促進することができます。
(出典)PETボトルリサイクル推進協議会「PETボトルの基礎知識」
ペットボトルの正しい分別方法
ペットボトルの分別はとても簡単です。
地域によって異なる場合もありますが、一般的には以下の分別方法が主流となっています。
①キャップを取り外し、ラベルをはがす:
ボトル本体とキャップ、ラベルを分けます。キャップの下にあるリングは、リサイクルの工程で取り除かれるため、そのままでも良いとされています。
②中身を洗浄する:
ペットボトルの中身が残っていると、リサイクルの品質が損なわれることがあります。そのため中身を空にし、軽くすすぎます。
③分別して捨てる:
キャップとラベルは、プラスチックごみとして捨てます。
分別をわかりやすくする「識別表示マーク」
ボトルの本体には必ず、分別の種類を示す識別表示マークが表示されています。
これは「容器包装リサイクル法」でも定められており、ごみを出すときの分別を分かりやすくする目的でつけられているものです。捨てるごみの種類に迷う場合は、このマークを参考にするとよいでしょう。
また、油や洗剤のボトルがどの種類なのかを迷う方も多いですが、一般的にそれらはペットボトルではなくプラスチックごみに分類されることが多いです。ぜひラベルについた識別マークを参考にしてみましょう。
ペットボトルをリサイクルすると何に生まれ変わる?
ペットボトルのリサイクルには「水平リサイクル」と「カスケードリサイクル」の2つの方法があります。それぞれ異なるプロセスと再利用の形態を持っており、リサイクルの目的や用途によって使い分けられています。
水平リサイクル:
ペットボトルを新しいペットボトルとして再利用するリサイクル方法です。この方法では、使用済みのボトルがリサイクル工場で洗浄、粉砕、再加工されて、再びPET樹脂として生成されます。この樹脂は、新しいペットボトルの原料として使われます。
カスケードリサイクル:
カスケードリサイクルは、使用済みのペットボトルを新たな製品に変えるリサイクル方法です。同じ製品へ再生する水平リサイクルに対し、元の製品よりも低い品質の原料で製造可能な製品に再利用することから、ダウングレードリサイクルともよばれます。リサイクル後は、衣類用の繊維や容器包装用のプラスチック製品など、様々な用途の製品に生まれ変わります。
ペットボトルリサイクルをすることで、新しい化石燃料を使ってペットボトルをつくる場合に比べてCO2を削減することが可能です。これにより、地球全体の環境負荷の低減へと貢献することができます。
(出典)PETボトルリサイクル推進協議会「PETボトル再商品化の流れ」
ごみの流出を減らし、資源を守るためにできること
2022年の統計によると、日本国内でのペットボトル消費量(販売本数)は、約254億本にものぼります。これらが適切にリサイクルされず、自然環境に流出してしまうと、環境汚染などの深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。
地球の大切な資源を守っていくために、身近にできることから取り組みを行っていくことが大切です。
消費者ができる取組み
家庭や外出先でのごみ分別を心がけることが重要です。
ペットボトルのキャップトラベルの分別、缶、紙など、リサイクル可能なものを他のごみと混ぜず、きれいにしてから出すことで、リサイクルの効率がアップします。私たち一人ひとりが正しい分別を意識することで、地球環境の保護に貢献することができます。
事業者ができる取組み
事業者においては、廃棄物の適切な処理とリサイクルの促進を行うことが非常に重要です。
特に商業施設や公共施設など、消費者によるごみが発生する場合においては、ごみの分別が大きな課題となっています。リサイクル促進のためには、消費者がごみを分別したくなるような仕組みづくりや、ごみ箱の付加価値化を検討することも新たな選択肢となるでしょう。
(出典)PETボトルリサイクル推進協議会「PETボトルリサイクル年次報告書2023」
ペットボトルリサイクルの取組み・イベント事例
海の美サンガプロジェクト(日本財団)
「海の美サンガプロジェクト」は、街で廃棄されるペットボトルキャップをリサイクルし、海洋プラスチックで作った紐と組み合わせて、世界に一つのオリジナルのミサンガを完成させる取組みです。
このプロジェクトは、日本財団が推進する海洋ごみ対策プロジェクトの一環として、サッカーチーム「北海道コンサドーレ札幌」の協力を得て実施されており、人々に海洋ごみ問題を身近に考えてもらうことを目的としています。
キャップの回収にあたっては、札幌市内で一斉清掃イベントが開催されるほか、市内商業施設に回収専用のリサイクルボックスが設置され、ごみの分別やリサイクル促進の取組みも併せて行われます。
(参考リンク):PR Times プレスリリース:
「回収したペットボトルキャップが世界でひとつのミサンガに。~「北の海を美しく」の願いを込めて~「海の美サンガプロジェクト」始動します!」
「海洋プラ問題に取り組むエルコム、IoT・AI機能付き自動圧縮ごみ箱「Reebo」を札幌・すすきのに初設置」
最後に
「分ければ資源、混ぜればごみ」とも言われるように、ごみの分別は非常に重要です。
私たちの大切な資源を守るため、ぜひ正しい知識を身につけて地球環境にやさしい行動を起こしていきましょう!
Reebo(リーボ)は、次世代型のスマート圧縮ごみ箱です。
自動圧縮により従来の約4倍のごみを収納でき、IoT監視機能付きでごみ箱内の保有量を遠隔で確認することが可能です。回収が必要になるとお知らせメールが届くため、何度も確認や回収に行く必要がなく、清掃作業の効率化と省人化が実現できます。
また、AI識別機能も搭載しており、人流解析により蓄積したデータをもとに、ユーザーに最適な情報をモニターで配信。消費者がごみ箱にごみを捨てたくなるような付加価値の発信を行うことができる、これまでにない全く新しい発想のリサイクルボックスです。
▼Reebo製品詳細はこちらよりご覧いただけます。